ワンダーフェスティバル2022のデモに協力しました

2022年7月24日(日)に幕張メッセ国際展示場で開催されたワンダーフェスティバル 2022[Summer]・Saya×センム AIスペシャルインタビューのデモに,東中研究室からM2の堀内,M1の刀祢が協力しました.

Saya×センム AIスペシャルインタビュー

イベントでは,Sayaの制作者とセンムの対談,および,AIを用いたインタビューのデモが行われました.デモでは,CGキャラクターの“Saya”が宮脇センムにインタビューを行いました.AIインタビューアーのSayaが,宮脇センムのマシンガントークに耐えられるのかという点が見どころとなっていました.

SayaはCGユニットTELYUKA(テルユカ)さんによって産み出された3DCGの高校生バーチャルヒューマンです.SayaのAIインタビュアー開発は,アイシン,豊橋技科大,名古屋大,徳島大,阿南高専,Idein Inc.による共同研究にて行われています.

今回,堀内と刀祢は,あらかじめ決まっている質問のシナリオを守りつつ,「Sayaらしい」雑談を交えながら所定の質問を行うという質問誘導技術を提供しました.本技術には JSAI2022で発表した手法が用いられています.なお,本技術を用いたSayaのこれまでの取り組みとして,2022年4月に,松丸亮吾さんとの対談があります.本内容は,CCC マーケティンググループが運営するソーシャルプロジェクト「学校総選挙プロジェクト」内にて,“大人になるってどういうこと?”を伝える映像コンテンツ 「大人の階段」として公開されています.

デモ本番は,幕張メッセのステージにておよそ100人の参加者の前で行われました.Sayaは宮脇センムに対してワンフェスについて聞いたり,お気に入りの映画を尋ねたりするなどのインタビューを,およそ両者30発話程度で約8分間ほど行いました.事前に決められたシナリオに沿いつつ雑談を上手に組み合わせて質問をしており,インタビュアーとしての役割をしっかりと果たしていました.

参加してみて

今回のデモにおけるインタビューは発話内容という点で見ると大きく成功していたと感じました.Sayaは事前に決まっていた聞きたいことをインタビュアーとして聞けていましたし,その途中の雑談もSayaのキャラクターに沿った愛嬌のあるものになっていました.

それとともに,課題も感じることもできました.今回のSayaの発話には,相手の発話を聞き取ってから自分の発話をするためにおよそ5秒の間が必要でした.人間と機械とのインタラクションにおいて2秒以上の間が不自然だと考えられます.Sayaの発話に,この長さの間が必要な原因は,そのSayaを動かしている要素の複雑さから来ています.今回は十分な質の対話をするためにはこの間の長さが限界でしたが,今後は質を担保しつつも短い間で応答ができるような仕組みを作っていきたいと思います.

マルチモーダルの対話システムのデモを「リアルタイム」かつ「多くの聴衆に見守られながら」行うということは想像以上にチャレンジングなことでした.このような取り組みに参加できたことをうれしく感じるとともに,貴重な経験をすることができたと考えています.