M1の伊勢野が,2024年7月29日〜8月2日にルーヴェン(ベルギー)で開催された 2024 European Summer School in Logic, Language and Information(ESSLLI)のワークショップConversational Grounding in the Age of Large Language Modelsで発表を行いました.
基本情報
ESSLLIは論理学,言語学,コンピュータサイエンスを学べるサマースクールであり,毎年8月ごろにヨーロッパで2週間ほど開催されます.今回,参加したワークショップでは会話の基盤化に関する発表や議論が行われました.

Workshop
ワークショップでは口頭発表の他に,DiscussionやGroup Activityが行われました.Discussionでは,LLMが基盤化情報をどのような形式で扱うべきか,LLMの基盤化能力の質をどのように測るべきかなど,LLMが人間のような基盤化を行えるようにするためにどのような研究を行なっていくべきかについて議論が行われました.また,Group Activityでは参加者がいくつかのグループに分かれ,LLMの基盤化に関する様々なトピックを話し合いました.

伊勢野は,口頭発表にて,LLMにとって最適な共通基盤表現を対話シミュレーションを用いて調査した研究結果を発表しました.確率的な表現と,決定的な表現の二つを用いて共通基盤を表現し,それぞれをプロンプトとして与えることでLLMの対話性能がどの様に変化するかを確認しました.その結果,決定的な共通基盤の表現を用いることで対話性能が向上することを明らかにしました.
Comparative Analysis of Common Ground Representations in Dialogue Systems: a Case Study using the OneCommon Task Proceedings Article
In: Proceedings of the Conversational Grounding in the Era of LLMs Workshop, European Summer School in Logic, Language and Information (ESSLLI) 2024, pp. 24–26, 2024.

参加してみて
英語での発表は初めてだったため少し不安でしたが,多くの方が真剣に発表を聞いてくれました.しかし,質疑応答や他の参加者との議論ではあまりうまく話すことができず,英語力の不足を痛感しました.
空いた時間にはルーヴェンやブリュッセルを観光し,ベルギーの美しい街並みを楽しむことができました.食事も非常に美味しく,特にムール貝のグラタンは絶品でした.


今回のESSLLIへの参加,そしてワークショップを通じて,LLMや基盤化に関する知見を新たに多く得ることができました.この経験を活かし,今後の研究活動に励みたいと思います.