IWSDS 2023で発表を行いました

M2の 堀内&山下です.音声対話システムに関する国際ワークショップ The 13th International Workshop on Spoken Dialogue Systems Technology (IWSDS) で発表を行いました.開催期間は2023年2月21日(火)〜24日(金),開催地はロサンゼルスにある南カリフォルニア大学のクリエイティブ・テクノロジー研究所でした.今年は現地とオンラインのハイブリッド開催でした.

1日目のオープニングでは,IWSDS2023の統計情報が公開されました.投稿数は56でした.参加者は USA (16) が最も多く,次いで Japan (10),Germany (9),Norway (2),Spain (2),UK (2),France (1),Russia (1) でした.

1日目の午後には山下と堀内の発表がありました.山下の研究は,対話を対話形式で要約する方法を提案し,既存の文章形式やキーワード形式の要約を含めた対話要約の評価軸を明らかにしたものです.堀内の研究は,対話システムがユーザの情報を得るために自然な質問を行うことを目的とし,質問誘導に特化したコーパスを作成して,対話文脈と特定の質問に基づいて発話を生成するモデルを学習したというものです.どちらの発表も複数の質問が出ており,英語での質疑応答に苦労しながら発表を終えました.

Sanae Yamashita, Ryuichiro Higashinaka

Clarifying characteristics of dialogue summary in dialogue format Proceedings Article

In: The 13th International Workshop on Spoken Dialogue Systems Technology, 2023.

BibTeX

Sota Horiuchi, Ryuichiro Higashinaka

Learning to guide questions in chat-oriented dialogue by using combination of question-guiding corpora Proceedings Article

In: The 13th International Workshop on Spoken Dialogue Systems Technology, 2023.

BibTeX

2日目には,教員の東中によるKeynote講演がありました.対話システムの動作例を動画で紹介するたび,会場では笑い声や驚く声が上がっていました.

2日目の午後には,Cultural Activity として市内観光に行くプログラムが組まれていました.参加者は貸切バスで博物館や美術館があるエリアまで移動し,周辺を自由に散策することができました.オーガナイザーからタールピット博物館 (La Brea Tar Pits Museum) とアカデミーミュージアム (Academy Museum of Motion Pictures) の入場券が配布されたため,我々はこれら2つの博物館に行きました.タールピットとは油田に由来する天然アスファルトの沼のことで,タールピット博物館には,このタールピットから見つかった化石が展示されていました.アカデミーミュージアムは映画の歴史を紹介する博物館で,アカデミー賞のこれまでの歴史や映画に使用された小道具などが展示されていました.Cultural Activity の後には,博物館近くの韓国料理店で Banquet が開催されました.

クロージングでは,Best paper award と Best poster award が発表されました.

  • Best paper award winners
    • Let’s Get Personal: Personal Questions Improve SocialBot Performance in the Alexa Prize
      Kevin K. Bowden and Marilyn Walker
    • Character adaptation of spoken dialogue systems based on user personalities
      Kenta Yamamoto, Koji Inoue and Tatsuya Kawahara
  • Best paper award runner up
    • Improving Open-Domain Dialogue Evaluation with a Causal Inference Model
      Cat P. Le, Luke Dai, Michael Johnston, Yang Liu, Marilyn Walker and Reza Ghanadan
  • Best poster award
    • MEM-BERT: Masked Entity Model-Based Transformers for Realtime Personalization
      Qingxiaoyang Zhu, Nehal Bengre and Tapas Kanungo

また,次回 (IWSDS2024) の開催地が日本であることも発表されました.場所や時期は未定ですが,日本国内であれば現地参加しやすいので,東中研からもまた投稿・参加したいと思います.

参加してみて

コロナ禍で会議のオンライン化が進み,対話研究者と直接知り合う機会が少なかったため,今回のようなオフラインの交流は貴重な経験になりました.特に,よく引用している論文の著者に会えたときは感動しました.

現地での英語を用いた発表は初めてで非常に緊張しました.質疑では著名な研究者の方々から質問を複数回いただけたので,発表自体は分かりやすくできていたのかなと思っています.一方で,質疑対応はあまり上手にできず,英語力の不足を感じました.しかし,修士課程の最後にこのように国際会議で発表できたことは非常に良かったと思っています.