YRRSDS2022とSIGDIAL2022で発表を行いました

M2の大橋が,エディンバラ(スコットランド)のHeriot-Watt Universityで2022年9月5日(月)~6日(火)に開催されたワークショップYRRSDS2022に参加しました.また,7日(水)~9日(金)に開催されたSIGDIAL2022に参加し,発表を行いました.

Heriot-Watt UniversityのMain reception.非常に大きなキャンパスでした.
キャンパス内の中庭.池の周辺には白鳥やカモなどもいて,自然豊かでした.

YRRSDS2022

YRRSDS(Young Researchers’ Roundtable on Spoken Dialogue Systems)は対話システムの若手研究者が議論する,SIGDIALと共催のワークショップです.

今年は3年ぶりの現地開催でした.参加者は34名で,ヨーロッパの大学から来ている方が多かったですが,アメリカやアジアから来ている方もちらほらいました(ほとんどがPhDの方でした).
まず,最近の対話システム分野のトピックについて議論するラウンドテーブルセッションが4回ありました.各セッションでは,用意されたトピックごとに10名程度で議論しました.
また,参加者が自身の研究内容を紹介するポスターセッションもありました.研究成果,PhDでの研究計画,SIGIDIALで発表する内容など,参加者各々が紹介したいことを発表します.研究のトピックとしては,雑談対話よりもタスク指向型対話に関するものがかなり多い印象でした.
企業や大学のシニア研究者による講演(Keynote Talks & Industry Talks)もありました.特に企業研究者のトークでは,機械学習を実際のサービスに導入するときの課題(処理時間など)や,リサーチインターンの宣伝など,企業ならではの内容が充実していました.その他,Coffee Break,Lunch,Dinnerなど,参加者同士の親睦を深めることができる機会も多く,また,仲良くなった数名でパブに飲みに行くなど,密度の濃い2日間となりました.

SIGDIAL2022

SIGDIAL(The Annual Meeting of the Special Interest Group on Discourse and Dialogue)は談話と対話に関する国際会議です.
今年は現地とリモートのハイブリッド開催で,現地参加者は100名程度でした.YRRSDSで知り合った人たちも多く参加していました.

口頭発表やKeynote Talksはメイン会場で行われ,zoomを使ってリモート聴衆へも発表の様子が共有されました.また,リモート発表では,事前に発表者が録画した動画がメイン会場のスクリーンで再生されました.
大橋は複数のモジュールからなるタスク指向型対話システムの対話パフォーマンスを,後処理と強化学習を用いて向上させる手法について発表を行いました.

Atsumoto Ohashi, Ryuichiro Higashinaka

Post-processing Networks: A Method for Optimizing Pipeline Task-oriented Dialogue Systems using Reinforcement Learning Proceedings Article

In: Proceedings of the 23rd Annual Meeting of the Special Interest Group on Discourse and Dialogue (SIGDIAL), pp. 1–13, Edinburgh, UK, 2022.

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SIGDIALのRegistrationの様子
メイン会場で大橋が発表する様子

一方,ポスターセッションとデモセッションはRobotariumという別会場で行われました.

The National Robotarium(ポスター&デモセッション会場)に移動する様子
ポスター&デモセッションの様子

閉会式では主に,Best paperの発表,今年の統計情報の公開(参加者数や採択率など),Business meeting,そして再来年の開催地の公開がありました(来年の開催地は未定でした).

Best paperには,以下の2つの論文が選ばれました.

  • Reducing Model Churn: Stable Re-training of Conversational Agents,
    Christopher Hidey, Fei Liu and Rahul Goel
    • 機械学習モデルを再学習した際のパフォーマンスのばらつきを抑える研究
  • How Much Does Prosody Help Turn-taking? Investigations using Voice Activity Projection Models,
    Erik Ekstedt and Gabriel Skantze
    • ターンテイキングモデルが音響情報をどのように活用しているかを調査した研究

Business meetingではリモート参加に関する議論がありました.リモート発表では,現地聴衆のエンゲージメントが低くなりがちであることから,その対応方針が今後の課題となっていました.

参加してみて

YRRSDSでは,学生など自分と同世代の参加者が多く,知り合いができたり研究に対するモチベーションが上がったりと得るものが多い2日間でした.
現地発表・英語発表はいずれも初めてで,SIGDIALの発表では失敗した点も多かったですが,対話研究者コミュニティの雰囲気を知ることができるなど,貴重な経験になりました.

9月のスコットランドですが,予想していたよりも天気が良く,5日間を通して過ごしやすかったです(気温は低かったのでジャケットを持って行って正解でした).エディンバラの街並みやRoyal Mileなども楽しめ,人生初のイギリス旅行はとても充実したものになりました.

SIGDIALのBanquetの様子
トランスファーのため立ち寄ったイスタンブール空港
Royal Mile
Princes streetから撮影したエディンバラ城
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カテゴリー: 発表