対話ロボットコンペティション2022に参加しました

M2の大橋です.2022年10月25日に国立京都国際会館で開催された,対話ロボットコンペティション2022 (Dialogue Robot Competetion 2022; DRC2022)の本選会に平井,大橋,郭が参加しました.
このブログでは,DRC2022における,東中研究室チームの今までの取り組みを紹介します.

対話ロボットコンペティションについて

対話ロボットコンペティションは,人型ロボットの中に対話制御システムを入れて,実際のユーザと対話させてその対話能力・技術を競うコンペティションです.
対話タスクは,「ロボットが旅行代理店におけるカウンターセールス役となり,対話を通してお客様の要望に応える」というものです.
各チームは,人型ロボットに接続されたマイクやカメラから認識できるユーザの音声・表情・しぐさなどを取得し,対話制御に用います.また,人型ロボットの体を用いて様々なジェスチャや表情など表現できます.

人型ロボットの写真(DRC2022の公式サイトより引用)

DRC2022は昨年に続く2回目のコンペティションで,参加チーム数は合計13チームでした.東中研究室は,メンバー7名(平井,大橋,郭,城間,周,刀祢,飯塚)で結成したチームで,DRC2022に参加しました.

予選会

予選会は,2022年8月11日~31日の間,日本科学未来館で実施されました.未来館の来館者が,参加チームが開発した対話システムと対話し,評価します.各チームには,予選会期間中のいずれか1日が割り当てられ,当日現地では,システムのセットアップなど,対話評価のための作業を行います.我々のチームには8月17日が割り当てられ,当日は合計25名の来館者に我々が開発したシステムを評価していただきました.
結果は予選敗退でしたが,リアルなユーザと対話できたおかげで,現状の我々のシステムの問題点・改善点を知ることができました.

未来館一階のDRC2022用ブース.旅行代理店のセットが設けられていました.
対話スペースの裏側のバックヤードで,システムの開始・終了等の処理を行いました.

本選会

本選会は,2022年10月25日に,国際会議IROS2022のRobot Competition部門にて開催されました.場所は国立京都国際会館のイベントホールでした.

本選会の様子
審査員が対話する様子.対話は日本語ですが,スクリーンにリアルタイムで英語に翻訳されたテキストが表示されていました.

本選会には予選会における成績上位3チームが出場しました.各チームのシステムは,2名の審査員と対話し,その対話パフォーマンスとシステムの技術点で評価されます.
優勝チームであるTeam LINEのシステムは,大規模言語モデルを用いたもので,非常に自然な自然な対話を生成できていて驚きました(対話の様子は公式サイトの本選会結果ページで確認できます).

本選会後は,参加した13チームがそれぞれ自身が開発したシステムについての説明をポスターで発表しました.
いずれのチームにも特徴や工夫(ユーザにジェスチャを求めることで対話への参加感を上げる,ユーザの年齢や対話の状況に応じて口調を変える,等)があり,興味深く発表を聞くことができました.

ポスター発表会場
M1の平井がポスター発表する様子

なお,各チームが開発したシステムに関する説明(Team description)は,予稿集としてまとめられています.
以下は,我々のチームのteam descriptionとポスターです.

Ryu Hirai, Atsumoto Ohashi, Ao Guo, Hideki Shiroma, Xulin Zhou, Yukihiko Tone, Shinya Iizuka, Ryuichiro Higashinaka

Team Flow at DRC2022: Pipeline System for Travel Destination Recommendation Task in Spoken Dialogue Proceedings Article

In: 2022.

Links | BibTeX

参加チームによるデモ

本選会の翌日10月26日には,本選会出場チームを含む入賞チーム(計7チーム)のシステムと実際に対話を行うことができるデモンストレーションが実施されました.
各チームのシステムと対話してみましたが,ポスター発表で説明されていたような工夫がうまく働いているシステムが多く,非常に楽しめました.
例えばTeam MIYABIのシステムは,ユーザにジェスチャや動きを求めたり,対話の中で観光スケジュールを作成したりと,非常に充実感のある対話ができていました.また,Team OSのシステムは,対話序盤のIcebreakingでお互いの出身地や地元でのおすすめの食べ物に関する雑談をし,そこで得られた情報を,観光地をおすすめするタイミングで上手に使っていて,非常に良い戦略だと思いました.

対話デモのスケジュール
大橋が対話する様子

対話ロボットコンペティションは来年も開催されるそうです.今年の問題点を生かし,来年こそは良い成績を残したいと思います.